
昔は「ご飯=生きる力」だった
レヴィアちゃんいっちーさん、ご飯って食べるとすぐ太る気がして怖いんです…



それ、実は昔の日本では“太る”どころか、“生きる力”の象徴だったんだよ。
戦前〜戦後の日本では、ご飯(炭水化物)は国民の主要エネルギー源でした。
厚生省(1946年)の報告によると、総摂取エネルギーのうち約63%が炭水化物由来。
「お米を食べないと力が出ない」が常識でした。
また、国立健康・栄養研究所の資料(2005)では、
1950年代の成人男性は、総摂取エネルギー約2700 kcalのうち、およそ6割弱を炭水化物から摂取していたそうです。
にもかかわらず、当時の肥満率は現代より低かったのです(Ministry of Health, Labour and Welfare, 2005)。
つまり、ご飯そのものが太るのではなく、「活動量の変化」が現代との最大の違い。
ご飯はむしろ“体を動かすための燃料”だったのです。
ファッション誌が作った「細い=美しい」時代





じゃあ、いつから“ご飯=太る”って思われるようになったんですか?



1970~80年代、女性誌が“スリム美人ブーム”を作ったのが大きいの。
この時代、『non-no』『an・an』『CanCam』などの女性誌は「細くて華奢な体型」を理想としたモデル像を大量に発信。
Mizunoら(Jpn J Nutr Diet, 2006)の研究によると、1980年代以降、20〜29歳女性の平均BMIは低下し、やせ傾向(BMI<18.5)の割合が30%前後で推移しています。
一方で、国立成育医療センター(2007)は、「若年女性のやせ志向が妊娠中の低出生体重児増加に関連している」ことを報告。
つまり、「ご飯を控える=努力」という社会的価値観が、健康にまで影響を与えていたのです。
ご飯は“古くて家庭的”?食文化の転換点



たしかに、パンとかパスタの方が“オシャレ”って感じします!



それは“食の欧米化”が進んだ1990年代以降の価値観なんだ。
農林水産省の「食料需給表」(2010)によると、1990〜2005年の間にパンの消費量は約1.5倍増。一方、1人あたり年間の米(主食用)の消費量は 1990年代〜2000年代初頭は年間60kg(約165 g/日)だったのが、2021年時点で約 51 kg(約140 g/日) と報告されています。
さらに、Nakamura(Asia Pac J Clin Nutr, 2016)は、“若年女性ほど米よりパン・洋食を好む傾向が強い”と報告しています。
この背景には、「ご飯=家庭的」「洋食=洗練された」という文化的イメージの変化があります。
つまり、ご飯は「太る」以前に、「古い」と見なされ始めたのです。
SNSが作った「糖質=悪者」ブーム





インスタでも“糖質オフ”って言葉ばっかり出てきます…



そう。SNSが“見た目のヘルシー”を正義にしたんだね。
しかし、世界的研究ではその限界も指摘されています。
• 低糖質食は短期的には体重減少をもたらすが、長期的な死亡率が上昇する可能性がある
(Seidelmann et al., Lancet Public Health, 2018)
• 適切な炭水化物摂取は寿命の延長や代謝安定に関連
(Dehghan et al., Lancet, 2017)
• 低炭水化物食はストレスホルモン分泌を増加させ、メンタルに影響を及ぼす
(Carter et al., Nutr Neurosci, 2015)
SNSでは“映える”食事が称賛されやすく、「ご飯=罪悪感」「糖質抜き=美意識が高い」という図式が強化。
結果、心理的ストレスと食行動の乱れが同時に増加しています。(Kawamura et al., Appetite, 2022)
ご飯は悪者じゃない!最新の研究が示す“食べ方”の重要性



じゃあ、ご飯を食べても大丈夫なんですね?



もちろん。食べ方が大事なんだよ。
Imaiら(Nutrients, 2014)の研究では、炭水化物の摂取タイミングや、他の栄養素との組み合わせが、体脂肪の蓄積にどう関わっているかを調査しています
研究の要点:
- 食事の時間帯(特に夜遅くの摂取)は、インスリン感受性を低下させ、脂肪合成を促進する
- 炭水化物を単体で摂取するのではなく、タンパク質・食物繊維と一緒に摂ることで、血糖値の急上昇を抑制
- 早食いは満腹感のシグナルが追いつかず、過食につながりやすい
つまり…
ご飯が悪いのではなく、
・夜遅くに
・急いで
・おかずも少なく(タンパク質・野菜不足)
食べることで、体脂肪がつきやすくなるのです。
また、Kawakamiら(J Nutr Sci Vitaminol, 2019)の研究では、朝食で適切に炭水化物を摂ることが、日中の代謝や集中力に与える影響を調べています。
研究の要点:
- 朝に炭水化物を摂ると、体内時計がリセットされ、代謝が活性化
- 血糖値が安定し、集中力やパフォーマンスの維持にも効果的
- 特に女性においては、朝ご飯を抜くことがホルモンバランスや血糖コントロールを乱すリスクも示唆
つまり…
朝にご飯を食べることは、太るどころか「代謝を上げ、太りにくい体をつくる」助けになるということです。
今日からできる!ご飯と上手に付き合う食べ方のコツ


「炭水化物=太る」という単純な話ではなく、いつ・どのように食べるかが代謝や脂肪蓄積に影響することがわかっています。では、日々の食生活で何を意識すればよいのでしょうか?
朝ご飯はちゃんと食べる
まず、忙しくても朝ご飯を抜くのは避けましょう。朝食は体内時計をリセットし、代謝を上げるスイッチの役割があります。何も食べずに活動を始めると、体はエネルギー不足と判断して脂肪をため込みやすくなります。時間がない時でも、炭水化物とタンパク質(例えばご飯と納豆や味噌汁)の組み合わせを意識すると効率よくエネルギーが使えます。
また、朝食は睡眠の質にも関係しています。睡眠の質を上げることで自然と痩せやすくなります。
下記の記事もぜひご覧ください↓
朝食を変えると睡眠が変わる!睡眠の質を整えて自然に痩せる朝の食習慣
夜遅い食事は軽めに
夜は代謝が低下するため、同じ量を食べても脂肪として蓄積されやすくなります。
夕食が遅くなる日は、夕方に軽い補食(おにぎり半分やナッツなど)を摂って、夜は控えめにするのが理想です。
特に炭水化物を減らし、豆腐・魚・野菜など消化の良い食材を中心にすると、血糖値が安定し睡眠の質も向上します。
胃腸への負担を減らすことで、翌朝の体調や代謝も整いやすくなります。
パンだけ・おにぎりだけの朝食はNG
パンやおにぎりだけなど、炭水化物だけの朝食は血糖値が急上昇し、その後の急降下によって空腹感やだるさが出やすくなります。
これを防ぐには、たんぱく質や食物繊維、脂質を一緒に摂ることが重要です。
卵や納豆、味噌汁、野菜を組み合わせることで糖の吸収がゆるやかになり、血糖値の変動が安定します。
結果として午前中の集中力やエネルギーの持続にもつながります。
よく噛んで、ゆっくり食べる
食べるスピードが速いと、満腹感を感じる前に必要以上に食べてしまいます。満腹のサインは、食事開始から約15〜20分後に、血糖値の上昇や胃の膨張によって分泌されるホルモン(レプチンやコレシストキニンなど)が脳の満腹中枢に届くことで感じられます。
そのため、ゆっくりよく噛んで食べることでこの反応が十分に働き、少量でも満足しやすくなります。
また、よく噛むことで血糖値の上昇も穏やかになり、脂肪の蓄積を防ぐ効果もあります。1回の食事には20分以上かけることを意識しましょう。
具体的な食事プランの組み立て方については、ぜひ下記のブログを参考にしてみてください↓
食事プランの組み立て方
まとめ
ご飯は「太る食べ物」ではなく、“代謝を回すスイッチ”なのです。噛んで、味わって、体を動かす——それが健康的なリズムを作ります。
“ご飯=太る”は思い込みの産物。本当は、ご飯こそが「代謝とメンタルを整えるベース」なのです。食べ方を変えるだけで、「罪悪感の食」から「自己信頼の食」へ変わります。ご飯を味方にできたとき、身体も心も整っていきます。
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